
20年ほど前、まーやさんがまだ若かりし頃に初めてイタリアに行った時のお話です。
当時喫煙者だったまーやさんは赤ラークを吸っていました。
今は喫煙マナーは厳しいですが、当時は町中吸い殻だらけ。
駅のホームではみんなが線路に吸い殻を投げ捨てていました。
そして、当時はイタリアのたばこはとても高額でした。
若者が気軽に買えるようなものではありません。
なので、イタリアの街で歩きたばこをしていると「たばこくれ~」と頻繁に声をかけられました。
まーやさんはその度にたばこを配っていました。
ナポリに滞在していた時の事。
ショッピングするなら大通りは一人で歩いても大丈夫だけど、裏路地には危険だから絶対入ったらいけないと言われてました。
しかしながら、若いまーやさんは好奇心旺盛で話のネタ探すためだったら何でもするみたいな芸人の様な生き方をしていたので、一人で裏路地に入ってしまいました。
イタリアに行ったら絶対欲しい物があったからです、靴です。
これだけは絶対買って帰ろうと思って散策してたら丁度靴屋さんがありました。
その靴屋さんの前でウィンドウショッピングしてたんですが、100メートルくらい先になんか厳つい恰好をしたギャングっぽい人が10人くらいこっちに向かってきてるのに気が付きました。
靴のウィンドウ観てるフリして横目でチラチラ見ていましたが絶対こっちに向かってきています。
当時、坊主に金髪をいうこれまた目立つ格好をしていたまーやさん。すぐに目に留まってしまった様です。
これは色々マズいぞと思っていたら、顔中ピアスだらけのギャング10人くらいに囲まれてしまいました。
そしてあろうことかお財布の中には日本円にして30万円くらい詰め込んでいたのでカツアゲされたら完全に終わりです。
冷や汗かきながら愛想笑いで「ボンジョルノー」と言ってみましたがイタリア語がわからないまーやさん。
一時期イタリア語を習っていたので単語くらいは解りますが会話は全くわかりません。
まーやさんの脳内翻訳では「オイ兄ちゃん、ここら一帯ワシらの縄張りなんやけど何してケツかんねん」と凄んでくるギャング達。
どうしようと思ってパニックになってしまいましたが、そんな時イタリアのたばこが高いという事を思いましました。
胸ポケットに入っている赤ラークを一本取りだしてリーダーと思われるギャングの一人の口にたばこをさして火をつけてあげました。
すると突然ギャングの態度と表情はコロッと変わりました。
「おお!兄ちゃんなかなかわかっとるやないかい。
しかしながらよう、この辺一帯兄ちゃんが来る様なとこちゃうからの
早いうちに出てった方がええで危ないぞ~」
と言って。
奇跡的に助かりました。
恐らく金髪の変な若い男がいると見回りにきただけだと思いますが、下手にでて立場を示したら許してくれたというわけです。
最終的にはたばこ一箱プレゼントして握手を交わし、ギャング達は撤退していきました。
もの凄く怖い思いをして死ぬかと思いましたが、絡まれた現場の靴屋さんに入ってきっちり靴だけは買ってその場から走って逃げたまーやさんでした。
たばこで九死に一生を得たお話でした。
※【悶絶級】ローマの内臓料理 - ホルモン煮込みソースが旨すぎる 動画より抜粋編集。
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